みなさん、こんにちは! 三枝です。
はえちゃんのこころシリーズ第6弾です。
今回のテーマは「スポーツ解説」です。
「解説」は、それぞれの競技を専門的な目線から、それを見ている人にわかりやすく伝える仕事で、「解説者」は、その競技への知識や経験を有している必要があります。
そのため、経験者や指導者、現役選手として活躍したことがある人たちが、スポーツ解説者となります。
解説者はその競技の関係者として、一般の方では知りえないような選手の素顔を知っている場合も多く、そうした知識を解説の中に入れることで、一般の方たちに選手をより身近に感じてもらうきっかけを与えることもあります。例えば、選手に関する生い立ちや練習中のエピソードを紹介することによって、選手により人間味を持たせることができます。
このように選手に親近感を持たせ、選手個人を応援する気持ちを育むのも解説者の役割の一つです。
また、特にプロスポーツの世界では、解説者から選手にとっては耳の痛いような厳しい意見が発せられることもあります。
そうした意見は貴重である一方で、その言葉の裏には、選手への優しさや気遣い、敬意が必要だと思います。
解説には様々なやり方があり、解説者の個性に応じてそれぞれの味があります。
実は、11月4・5日に開催された第20回記念日本デフ陸上競技選手権大会で人生初の解説を務めさせて頂きました。
最初は断る理由もなく、依頼が来たときはあまりピンと来なかったのですが、実際にやってみて最初に思ったことは、「えらいことを引き受けてしまったな」とちょっと後悔しました(笑)
当日は、私が選手のパフォーマンスを見ながら手話で解説をし、それを読んでもらい、YouTubeで放映するという形で行いました。
理想では語り口調が柔らかく、分かりやすいのが一番ベストだと思い、前日まで、競技者としても尊敬していた選手で、今は解説者をされている、朝原宣治さん、為末大さん、髙平慎士さんの解説を見て勉強していました。
このお三方はみなさん、それぞれの個性を活かして、目の前で行われているレースを自分の言葉で表現し、独自の解説でレースを更に盛り上げていらっしゃいます。
私も大会前に出場する選手の情報をできる限り収集して、昨年の選手の走りの映像も見ながら、 「ここなら自分はこんなコメントをするな」など、 解説のイメージをしていました。また、今回は初めてなので視聴者の方にデフ陸上に興味を持ってもらいたい、 そのためには、「自分は雰囲気のいい、楽しい解説をしないと!」という意気込みで臨みました。
実際にやってみると、様々な場面で、これはどのようなコメントをするのがいいか?と戸惑うこともたくさんありましたが、聞いている視聴者がより一層デフ陸上の奥深さを楽しみながら観戦してくれるような解説がしたいと、選手の立場や状況を説明したり、今後の展開などを予測したりとできる限りの工夫をしてみました。
とにかく不安ばかりでしたが、依頼を引き受けたからには「やるしかない!」と思いがんばりました(笑)
ただ、目の前に起きていることをとっさに言葉にしようとすると出てこない・・・。予想と違う展開になると焦る自分に「落ち着け!」と言い聞かせて頑張りました。
時間はあっという間に過ぎましたが、解説をやってみて、感想を一言で表すと、予想を遥かに超えて難しかったです。
ただ、ものすごくいい経験でした。
これまで私は選手でしたので自分の走りを解説してもらう立場でした。それが、昨年に競技を引退し、今回は逆に選手の走りを自分の言葉で表現し、解説する立場になりました。
改めて、解説者として活躍されているの方々の凄さを感じながら、そこに行くまでには相当な努力が必要だと感じました。終わってから次の日もう一度ライブ視聴した後、「あの場面ではこんな表現をすれば良かったな。」 など、実況の振り返りが頭の中から離れませんでした。
そしてもう一つ。今回やってみて、改めて自分の昔のことを思い出しました。
それは高校時代の私はまだ力が無く、コツコツとトレーニングをするしかなかった選手だったことです。
地道なトレーニングが原点となり大きな成長に繋がったこと。それを思い出したのです。
選手を引退し、一社会人として、また指導者として、そして解説者として活動を始めました。
そう、またコツコツ努力していかなければならないのだと。
今からまた勉強し直して、もし来年も依頼あれば、「私だからこそできる解説」で、リベンジしたいと思っています。
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