みなさんこんにちは!東京2025デフリンピックまであと1年。
正式には、今日で開幕まで残り543日とのとです(笑)
今日は、私も出場したこのデフリンピックについて書いていこうと思います。
デフリンピックとは、デフ+オリンピックという2つの単語からできた言葉です。
デフ(Deaf)は、英語で「耳がきこえない」という意味です。
デフリンピックは、国際的なデフアスリートのためのオリンピックなのです。
国際ろう者スポーツ委員会が主催し、4年毎に開催されるデフアスリートを対象とした国際的な総合スポーツ競技大会で、大会では、国際手話のほか、スタートランプや旗などを活用して“視覚”を使いながら競技を行うことが特徴です。
東京都でデフスポーツについてまとめてくださっている動画があるので、参考までにこちらも見てみてください。
デフリンピックに出場するには2つの条件があります。
①「補聴器・人工内耳」を外した状態で、聞こえる一番小さな音が55dB(デシベル)を超えていること
②各国の「ろう者スポーツ協会」に登録されている選手で、参加標準記録・出場条件を満たしていること
(参考)
※dBは音の大きさを表し、数字が大きいほど音が大きい。
※55dBはふつうの声での会話がきこえない程度
先ほど少し触れましたが、デフリンピックの特徴として、コミュニケーションに手話が使われます。
デフリンピックには耳の聞こえないアスリートが参加するため、世界中で通じる国際手話が主として使われています。
国際手話はそれぞれの国の手話が混ざったような手話なのですが、それを使って海外の選手たちと交流しています。普段関わらない海外の選手たちと交流する機会が増えることもデフリンピックの魅力の一つだと思っています。
デフリンピックでは全員が補聴器を外して競技に臨みます。
その中でパフォーマンスを発揮するために、デフリンピックでは『音』ではなく『目』でわかる工夫が多数なされています。
陸上などのスタートの合図にはスタートランプが使われています。
他にもサッカーなどの試合で反則があった際には、通常使われる笛に加えて、旗や手を挙げたりして選手に伝えたりなど、オリンピックやパラリンピックでは見られない工夫がデフリンピックではされています。
そんなデフリンピックですが、第1回は1924年にフランスのパリで開催されました。
ちなみにパラリンピックは1948年からなので、パラリンピックよりも長い歴史があります。
東京2025デフリンピックは、100周年の記念すべき大会であり、日本では初めての開催になります!
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東京2025大会概要
●2025年11月15日~26日(12日間)
●参加国:70~80か国・地域
●参加者数:約3,000人
●今回の競技種目
陸上、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車(ロード・MTBマウンテンバイク)、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル・グレコローマン)
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東京デフリンピックに向けた動きについて、私が把握していることをいくつかピックアップしてみます。
●大会運営について
✓デフスポーツに必要なスタートランプなどの機器に加え、ビジョンやサイネージ
などを活用する
✓競技会場内の案内表示・掲示は誰もがわかりやすい表示とする
✓東京2020大会で使用された多言語翻訳や音声文字化などのデジタル技術を活用するとともに、国際手話人材の育成にも取り組み、選手や関係者の円滑なコミュニケーションをサポートする
※現段階では都庁駅で12ヶ国語に対応できる翻訳透明ディスプレイが試験的に導入されるそうです。相手の顔を見ながら、翻訳結果が透明なディスプレイに表示されるとのこと。デフリンピックと世界陸上が開かれる前に対応力を高めるのが狙いです。ろう者にはキーボードなどで意思疎通できます!
すごい技術ですよね・・・(笑)
●大会を通じた学びの提供
✓都内や被災地の子どもたちが、会場で熱戦を間近で観たり、デフアスリートと交流したりすることで、スポーツの素晴らしさや共生社会の大切さを学ぶ機会を設ける
✓デフアスリートが学校を訪問し、子どもたちと交流する機会や、大会関連イベントを
通じてデフスポーツを体験する機会を設ける
※最近では東京・葛飾区の葛飾ろう学校で、認知拡大を兼ねた「TOKYO FORWARD 2025 アスリート交流イベント for KIDS」が開かれました。
08年北京五輪400メートルリレー銀メダルの朝原宣治さん、陸上男子400メートル障害の黒川和樹選手、デフ陸上女子の岡田海緒選手がゲスト参加されました。
東京2025デフリンピックでは様々な競技を楽しむのももちろんですが、開催期間中はぜひ会場へ観に行ってデフリンピックの雰囲気を感じてもらえたらうれしいです。
手話ができなくても、伝える手段に決まりはないです!
デフの人々は社交性でオープンな人たちも多いです。みんな笑顔で接してくれると思いますので、ぜひ話しかけてみてください!
※会場には手話通訳もいますので安心してください(笑)
最後に。
私は二回デフリンピック出場しましたが、やはりデフリンピックは自分にとって夢の舞台で、自分の夢そのものでした。
特に印象に残っているのは、表彰台の上に立った時のことです。
ケガで苦しんだこともありましたし、勝てない時期もありましたが、デフリンピックを目標に頑張り続けることができました。
リレーで金メダル獲得して表彰台の上に乗った瞬間、本当にたくさんの応援と支えてくださった方々の声がフラッシュバックして、あらためて感謝の気持ちが沸き上げてきたことを覚えています。絶対今後も忘れることのない思い出です。
100周年を迎えるデフリンピックの日本開催に、とても気持ちが沸き上がっています。
それは母国開催、しかもスポーツを通して聞こえない人と、聞こえる人が共に大会を作り上げていくことで、これからの日本社会にも大きな影響を与え得る良い機会だと思っています。
デフスポーツには、聞こえない人だけでなく聞こえる人にとっても楽しめる場面がたくさんあります。
多くの競技種目がありますので、まずは関心のある競技の観戦からしていただけると嬉しいです!
・・・できればデフ陸上に来てほしいです(笑)
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